ヤマハ発動機と聞くと、多くの人はバイクを思い浮かべるかもしれませんが、実はそれだけではありません。
ヤマハ発動機は、世界トップクラスのシェアを誇る船外機事業や、急成長している電動バイク、さらには産業用ロボット事業など、多岐にわたる事業を展開している企業です。
さらに、売上の約90%を海外から稼いでおり、アジアや北米市場で大きな成長が期待されています。
本記事では、そんなヤマハ発動機の魅力とリスクをわかりやすく解説します。
ヤマハ発動機の株価と収益構造
ヤマハ発動機の過去から現在の株価推移と要因
- 株価の回復と成長
コロナ禍で一時的に株価は下落したものの、北米やアジア市場でのレジャー需要拡大やマリン事業の好調が回復を支えている。 - マリン事業と電動モビリティの影響
船外機市場での高いシェアを維持し、電動バイク市場でも積極的な投資を行っています。この両事業の堅調な成長が、株価の安定要因となっています。 - 海外市場依存とリスク要因
売上の約90%を海外市場に依存しているため、為替変動の幅が大きいので各国の経済状況が株価に大きく影響する。 - 今後の成長見通し
電動モビリティ市場の成長と、マリン事業の強みを背景に、ヤマハ発動機の長期的な成長が期待される。
ヤマハ発動機の収益構造と海外売上比率
項目 | 内容 |
---|---|
時価総額 | 約1.2兆円(2024年時点) |
売上高 | 約2.2兆円(2023年度) |
営業利益 | 約1800億円(2023年度) |
経常利益 | 約1900億円(2023年度) |
純利益 | 約1300億円(2023年度) |
総資産 | 約3.5兆円(2023年度) |
従業員数 | 約55,000人(2023年時点) |
事業内容 | 二輪車、マリン(船外機・ボート等)、パワープロダクツ、ロボティクス(産業用ロボット)、電動モビリティ製品の製造・販売 |
主要市場シェア | 船外機市場で世界トップシェア、電動バイク分野でも成長中 |
海外売上比率 | 約90%(主に展開している国:米国、インドネシア、ベトナム、インド、フィリピン、ブラジル、欧州各国など) |
設立 | 1955年7月1日 |
本社所在地 | 静岡県磐田市新貝2500 |
ヤマハ発動機はバイク事業が有名ですが、実はマリン事業が収益の柱になっています。
売上高だけ見たらバイク事業が圧倒的ですが、実はマリン事業のほうが儲けが大きいんです。
そしてヤマハ発動機は船外機メーカーで世界トップシェアを誇っています。
これがヤマハ発動機の高い収益性を支えているんですね。
ヤマハ発動機株を保有するリスク
海外市場依存による為替リスク
ヤマハ発動機は全売上の大半が海外市場です。その割合はなんと約90%です。
これだけ海外に依存していると、為替レートの影響がかなり大きいです。
1円円高に振れるだけで10億円の利益が消し飛びます。
特に稼ぎ頭の北米のマリン事業は、収益構造の柱といっても過言ではありません。
もし為替が大きく円高に振れるだけでなく、現地の経済状況が悪化したら、需要が急激に落ち込むなんてことも十分ありえます。
環境規制とサステナビリティ対応
最近は、環境規制がどんどん厳しくなってきて、特に欧州や日本では排出ガス規制が厳しいです。
最近だと日本での原付が販売停止されることが話題になりましたよね。
>>原付きバイク ホンダとスズキ 生産終了を検討 国内生産終了へ
ヤマハ発動機も環境規制に対応したEVモデルをリリースしていますが、中国の新興企業や自動車メーカーが強力なライバルとなっています。
この競争に勝ち抜かないと市場から取り残されるリスクがあります。
しかも、サステナビリティに関しても早く対応しないと、企業イメージにも響いてくるので注意が必要です。
ヤマハ発動機株を買うべき理由
マリン事業での圧倒的な世界シェアと成長の見込み
ヤマハ発動機といえば、船外機市場での圧倒的なシェアですよね。
特に北米市場では安定して需要がありますし、新興市場でもマリンレジャーの普及とともに需要が増えていくと期待されています。
技術力と品質に裏打ちされた製品が強みで、これが今後も高い収益を支えると考えます。
ロボティクス事業の拡大と将来の成長性
世界のロボット市場は、日本・欧州等における労働力人口減少、中国・新興国等における賃金上昇や品質向上ニーズ拡大等を背景として増加傾向にあります。
ヤマハ発動機はロボティクス事業を成長事業として積極的な投資を行っています。
この事業が軌道に乗れば、二輪車やマリン事業に次ぐ大きな成長エンジンとなりそうで、これからの収益拡大が期待できます。
安定高配当銘柄
ヤマハ発動機の配当利回りは5%前後で推移しており、かなりの高配当銘柄と言えます。
(もともと高配当だったのに最近はピーク時より株価が下落したので相対的にさらに高配当銘柄となっています。)
また、安定配当政策を採用しており、業績が悪化しても急激な配当削減が起こりにくく、投資リスクが低減します。
配当性向もバランスよく、利益を株主に還元しつつ、成長投資に備える姿勢が評価されています。
さらに、株主優待制度を実施しており、個人投資家からの人気も高いです。
これらの施策により、長期的な株価の安定と配当収入が期待できる点が、ヤマハ発動機株を保有する大きな魅力となっています。
まとめ|ヤマハ発動機株のリスクと成長性
項目 | 内容 |
---|---|
海外市場依存のリスク | 売上の約90%が海外市場に依存し、為替変動や新興市場の不安定性に影響されやすいです。 |
電動モビリティへの移行 | 電動モビリティ市場でリーダーシップを発揮していますが、競争が激化しており、技術革新に迅速に対応する必要があります。 |
環境規制とサステナビリティ対応 | 厳しい環境規制が強化されており、特に欧州や日本ではエコフレンドリーな製品開発が求められています。早期の対応が必要です。 |
成長分野での強み | 船外機市場での圧倒的シェア、電動バイク市場での技術力、ロボティクス事業など、成長が期待される分野における強みがあります。 |
長期的な収益性 | マリン事業やロボティクス事業が好調で、将来的に安定した収益を確保できる見込みがあります。 |
ヤマハ発動機は株式が3分割され手の届きやすい株価になったのに加え、株主優待もあるので個人投資家にも人気のある銘柄です。
筆者はヤマハ発動機を15年くらい保有しています。
事業も安定していて株主優待も長期保有に恩恵がある仕組みになっているので今後も手放すつもりはありません。
そして今後も成長が期待できる事業を手掛けているのでとても魅力的な銘柄と考えます。
ぜひポートフォリオのひとつに加えてみてはいかがでしょうか?
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
コメント