トヨタ自動車は、誰も知る日本を代表する世界的な自動車メーカーです。
配当利回りは2〜3%と決して高くありませんが、盤石な財務基盤と安定配当は魅力的です。
そして環境対応車の戦略として全方位戦略を掲げるトヨタ自動車は、長期保有に向いている考えます。
EVだけでなく得意とするハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車などのすべてを開発・販売する戦略。
そんな考えのもと筆者はトヨタ自動車の株を保有しています。
本記事では、トヨタ自動車株の将来性を見極めるための具体的な情報と戦略についてまとめています。
ぜひ銘柄選定の材料にしていただければと思います。
トヨタ自動車の株価と収益構造
トヨタ自動車の過去から現在の株価推移と要因
- 日米を中心に利幅の厚いのHV車とSUVの販売が好調。
- 国内生産の約半分を輸出しているため円安トレンドの終焉はネガティブ
- 2024年に5月に1兆円を上限とする自社株買いの方針を発表。
トヨタ自動車の収益構造と海外売上比率
項目 | 内容 |
---|---|
時価総額 | 約50兆円 |
売上高 | 45兆953億円(2024年3月期) |
営業利益 | 5兆3529億円(2024年3月期) |
経常利益 | 約6兆円(2024年3月期) |
純利益 | 4兆9449億円(2024年3月期) |
総資産 | 94兆373億円(2024年3月時点) |
従業員数 | 約37万人 |
事業内容 | 自動車の製造・販売、金融事業、その他モビリティ事業 |
主要市場シェア | 世界シェア約10%、国内シェア約40% |
海外売上比率 | 約80%(主な市場:アメリカ、中国、ヨーロッパ、東南アジア、日本以外のアジア地域) |
設立 | 1937年8月28日 |
本社所在地 | 愛知県豊田市 |
トヨタ自動車株を保有するリスク
①為替リスク
トヨタの収益の約70%が海外市場からのものです。
加えて国内で生産したもののうち、約半分を輸出しています。
そのため、為替リスクは非常に大きいです。
例えば、2024年の決算報告では、為替の恩恵により収益が拡大した一方で、逆に円高になれば同じく業績悪化のリスクがあることが示されています。
②中国市場での米中対立と規制強化のリスク
中国市場におけるリスクとしては、米中貿易戦争や技術競争の激化が挙げられます。
例えば、アメリカと中国の間で関税引き上げや貿易制裁が行われると、中国での生産コストが増加し、トヨタの利益に影響を及ぼす可能性があります。
また、中国政府の環境規制や地元企業への優遇政策により、トヨタの競争力が削がれるリスクも存在します
③アメリカの保護主義と規制強化
アメリカはトヨタの主要市場の一つですが、保護主義的な政策や環境規制がリスクとなります。
2018年、トランプ政権は輸入自動車に対して最大25%の関税を検討していました。
これはトヨタのアメリカ向け車両の価格を押し上げ、需要減少につながる懸念がありました。
最終的に関税は導入されなかったものの、政策の不確実性は依然として残っています。
④競争激化のリスク
トヨタは世界トップの自動車メーカーですが、他の自動車メーカーやテクノロジー企業との競争が年々激しくなっています。
EV分野ではテスラやBYD、自動運転技術ではAppleやGoogleなどのテクノロジー企業が台頭しており、新たなフェーズに突入したと言えます。
また、国内市場においても少子高齢化に伴う需要減少と、他の国内外メーカーとの競争が激化しています。
トヨタ自動車株を買いたい理由
① 配当利回りの高さと安定した財務基盤
トヨタは安定した配当を維持しており、長期投資家にとっては魅力的な銘柄です。
財務基盤が非常に強固で、安定したキャッシュフローが株主還元を支えています。
ここ最近は株主還元にも積極的で、安定した収入を得ることができます。
②環境対応車の戦略として全方位戦略
トヨタは環境対応車の戦略として全方位戦略を展開しています。
- ハイブリッド車 (HEV)
- プラグインハイブリッド車 (PHEV)
- 電気自動車 (BEV)
- 燃料電池車 (FCEV)
他の自動車メーカーが電気自動車 (BEV)に舵を切る中、トヨタは出遅れを指摘されていました。
しかし最近は欧州でのガソリン車の廃止時期が先送りになったりと風向きが変わりつつあり、トヨタの進める全方位戦略が評価されています。
最近の話だとスウェーデンのボルボが計画の見直しを発表しましたよね。
>>ボルボ 2030年までに販売車をすべてEVにする計画を撤回
HV車に強みを持つトヨタに有利な展開になってきたと考えます。
まとめ|トヨタ自動車の株価と将来性
項目 | ポイント |
---|---|
株価動向 | 安定しており、EVや自動運転技術の進展に期待 |
収益構造と海外売上比率 | 海外市場からの収益が7割以上、特に北米と中国が重要 |
成長戦略 | 環境対応車の戦略として全方位戦略 |
リスク要因 | 為替リスク、地政学リスク、競争の激化 |
投資の魅力 | 財務健全、ESG評価の高さ、長期成長の可能性 |
トヨタ自動車は、世界的に安定した収益を誇り、特にハイブリッド車や燃料電池車などの技術で他社に優位性を持っています。
しかし、為替リスク、サプライチェーンの断絶リスク、EV市場での競争、環境規制、地政学的リスクなど、多くの外部要因がトヨタの業績に影響を与える可能性があります。
とはいえ冒頭で述べたように健全な財務基盤、安定した配当を出すトヨタ自動車株は魅力的です。
ぜひポートフォリオのひとつに加えてみてはいかがでしょうか?
本記事が銘柄選定の材料のひとつになれば幸いです。
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
コメント