【買いたい高配当株】JT(日本たばこ産業)の将来性とリスクを解説

高配当株と聞いて多くの人が真っ先に思い浮かぶ得るであろうJT(日本たばこ産業)株。

とはいえ、規制強化や喫煙率の低下、そして世界的な健康志向の高まりなど、将来性には不安を感じる話も耳に挟みますよね。

しかし、5%に迫る配当を誇る株式をみすみす放っておくのも惜しい。

まさに筆者がそれで、JTの株式をポートフォリオに組み込んでいます。

なぜならリスクを理解して、適切なヘッジをすれば致命傷を避けられると考えているからです。

本記事では、JT株の将来性を見極めるための具体的な情報と戦略についてまとめています。

ぜひ銘柄選定の材料にしていただければと思います。

目次

JT(日本たばこ産業)の株価と収益構造

JT株の過去から現在の株価推移と要因

  • 過去数年間で大きく変動。コロナ禍以降、経済回復とともに上昇トレンド。
  • たばこ業界は全世界的に喫煙率が低下しているため、JTも例外ではなく、売上が減少傾向にある。
  • ESG投資の影響により、株価の成長が鈍化が懸念される。
  • 海外市場での競争が激化し、特に新興国での事業拡大が難しくなっている。
  • 積極的な買収戦略を展開し、2024年に米国のたばこ会社VGR社を買収するなど事業拡大を図っている。

上昇要因もありますが、長期的な視点では依然として慎重な評価が必要です​ 。

ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の単語の頭文字をつなげたものです。 環境や社会に配慮して事業を行っていて、適切なガバナンス(企業統治)がなされている会社に投資しようというのが「ESG投資」です。

引用:MUFG Bank

JTの収益構造と海外売上比率

項目詳細
時価総額約7兆円(2023年12月期時点)
売上高連結: 2兆8410億円、単独: 5372億円(2023年12月期)
営業利益連結: 6724億円、単独: 201億円(2023年12月期)
経常利益連結: 6216億円、単独: 1856億円(2023年12月期)
純利益連結: 4853億円、単独: 1847億円(2023年12月期)
総資産連結: 7兆2821億円、単独: 2兆2940億円(2023年12月期)
従業員数連結: 53,239人、単独: 5,940人(2023年12月31日現在)
事業内容たばこ事業、医薬事業、加工食品事業
主要市場シェア日本42.8%、ロシア37.4%、台湾50.3%、フィリピン42.4%
海外売上比率約68%(2023年)
設立1985年4月1日(前身は日本専売公社)
本社所在地東京都港区虎ノ門4-1-1(神谷町トラストタワー)

JTの売上の約68%は海外市場からのものであり、特にアジアや欧州での事業展開が収益を支える重要な要素となっています。

たばこ事業における国際展開が非常に強力で、海外市場の成長が企業の全体的な業績を牽引しています。

JT株を保有する8つのリスク

① 海外市場依存リスク

JTはその事業の大部分を海外市場に依存しており、現地の規制変更や政治的不安定が収益に影響を与えるリスクが存在します。

特に新興市場では、予期せぬ規制の変更が業績に大きな影響を与える可能性があります。

② 為替リスク

JTは高い海外売上比率を持つため、円高や円安の動向が業績に直接影響します。

円高が進行すると、海外売上が減少し、収益が圧迫されます。

逆に円安では輸入コストが増加し、利益率が低下するリスクがあります。

③ 規制強化リスク

たばこ製品に対する国際的な規制強化は、販売量の減少を引き起こす可能性があります。

規制が強化される地域では、JTの長期的な業績に悪影響を与えるリスクが高まります。

④ 健康志向と市場縮小リスク

世界的な健康志向の高まりにより、喫煙者の数が減少し、たばこ製品の需要が縮小しています。

特に先進国市場では喫煙率が低下しており、市場縮小がJTの業績に重大な影響を与えるリスクがあります。

⑤ 新規事業への移行リスク

JTは市場縮小リスクに対応するため、新たな事業分野への進出や低リスク製品の開発を進めていますが、これらの取り組みが成功するかどうかはまだ不透明です。

市場縮小にどう対応するかが今後の成長のカギとなります。

⑥ 代替製品の競争リスク

たばこ業界では、近年、電子たばこや加熱式たばこなどの代替製品が急速に普及しています。

これらの製品は、従来の紙巻たばこに比べて健康リスクが低いとされており、特に若年層を中心に人気が高まっています。

例えば、フィリップモリスやブリティッシュアメリカンタバコなどの競合企業は、代替製品の分野で既に強力な地位を築いています。

JTもこのトレンドに対応するため、自社の代替製品ラインナップを強化していますが市場競争は激化しています。

⑦ ESG評価と株価への影響

ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の単語の頭文字をつなげたものです。 環境や社会に配慮して事業を行っていて、適切なガバナンス(企業統治)がなされている会社に投資しようというのが「ESG投資」です。

引用:MUFG Bank

たばこ産業は、環境や健康に対するネガティブな影響が強く意識されるため、ESGの観点からは厳しい評価を受けがちです。

JTも例外ではなく、ESG評価が株価に与える影響は無視できません。

特に、環境への配慮が不十分と見なされた場合、ESG投資家からの投資が減少する可能性があります。

このような評価が広がると、JTの株価は圧力を受けることになります。

⑧ 配当政策のリスク

JTは高配当銘柄として知られていますが、その配当政策にはリスクも伴います。

配当金の支払いは企業の業績に依存しており、業績が悪化すれば配当金の減額や停止の可能性があります。

たばこ業界全体の収益が縮小する中、JTが現在の高配当政策を維持できるかは不確実です。

高配当が投資家を引きつける一方で、配当の減少が発表されれば、株価が大きく下落するリスクがあります

JT株に投資する魅力

配当利回りと安定性

JT株の最大の魅力の一つは、その高い配当利回りにあります。

現在、JTは安定した配当を支払い続けており、特に配当金を重視する投資家にとって魅力的な投資対象となっています。

JTの配当利回りは、日本市場の平均を大きく上回っており、これは長期的な資産形成に寄与する可能性が高いです。

たばこ産業は、収益性が高く、安定したキャッシュフローを生み出すため、配当金が安定して支払われる傾向があります。

JTも例外ではなく、過去10年間で配当金を着実に増加させてきました。

配当金が安定していることは、特に配当再投資を行う投資家にとって大きな魅力です。

ディフェンシブ株

長期投資家にとって、JT株は安定した配当収入を得られる点で非常に魅力的です。

たばこ産業は、一般的に景気の変動に対して比較的強い耐性を持っており、安定した収益を生み出すことが期待できます。

これにより、長期的な資産形成を目指す考えであれば、JT株は堅実な投資先だと思います。

まとめ|JT(日本たばこ産業)株の将来性と投資判断

ここまで、JT(日本たばこ産業)の株に関する将来性とリスク、そして投資戦略について詳しく解説しました。

以下に、その内容を簡潔にまとめます。

項目ポイント
株価推移と要因過去の変動を踏まえ、今後も規制強化や市場縮小がリスク要因。
収益構造海外売上に依存しており、為替リスクも大きい。
強みと弱み安定した配当が強みだが、たばこ市場の縮小が課題。
規制と競争規制強化と代替製品の普及が今後の収益に影響。
投資戦略長期配当目的に適しているが、外部環境の変化に注意。

冒頭でも述べたように、筆者はJTの株式を保有しています。

配当利回りも高く、配当も安定。上場以来、減配は2021年12月期の1回のみです。

もちろん、すべての資金をJTに突っ込むのは投資ではなく、投機になってしまうので絶対にNGです。

他の金融資産を組み合わせてリスクを分散しながら、お金を増やしましょう。

本記事が銘柄選定の材料のひとつになれば幸いです。

今回の記事は以上になります。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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